2018年から始まった小学校での英語教育
2020年4月からは、3年生~6年生で「外国語」が必修科目となります
ここ近年で、英会話や英検などの習い事に通う小学生も増えてきました
そんな英語ですが、中学校での英語の授業や、高校受験に必要な英語の学力に備えるために、小学生の頃にどの英語の習い事が最も効果的なのでしょうか?
そこで、今回の記事では
- 小学生に人気の英語の習い事とは?
- 英会話と英検のそれぞれの特徴とは?
- 小学生には「英検」がおすすめな理由とは?
- おすすめの英検のテキストとは?
【小学生の習い事】英会話と英検が人気

どんな英語の習い事が、小学生に人気があるのでしょうか?
塾の講師や家庭教師をしていると、保護者の方々から

小学生の英語の勉強、何からはじめたらいいのかしら・・・
という相談をよく受けます
ベネッセ総合教育研究所が2014年に小学生の保護者を対象に行った、「第1回 小学校英語に関する基本調査」によると、学校外で英語学習を行っている小学生は、全体の18.8パーセントに及んでいます
英会話と学習塾がトップ
小学生の学校外での英語学習について、その内訳をみてみると
- 1位 英会話教室・・・52.3%
- 2位 学習塾の英語コース・・・23.1%
となっています
1位の「英会話教室」というのは、日本人の先生、または外国人のネイティブの先生との日常会話を中心とした学習です
2位の「学習塾の英語コース」というのは、英会話ではなく、英検やTOEICといった、資格試験の合格を目指す学習です
もちろん、一概にそうとは言えないかもしれませんが、小学生向けの英語の授業を行う学習塾では、児童英検や英検5級からの受験対策を行う授業が多いようです
【英会話と英検】それぞれの特徴は?

英会話と英検、それぞれどんな特徴があるのでしょうか?
英会話と英検の学習内容は大きく異なります
それぞれの内容をしっかりと理解し、目的にあった方を選ぶ必要があります
英会話の特徴とは?
英会話の特徴についてまとめます
- 目的・・・英語で会話する力を習得する
- 内容・・・リスニング(聞き取り)やスピーキング(話すこと)を練習
- 将来的な展望・・・留学した際などに現地の外国人と英語でコミニュケーションをとることができる
英検の特徴とは?
一方、英検の特徴についてまとめると…
- 目的・・・英語の語彙力(ボキャブラアリ)と文法的な知識を習得する
- 内容・・・リスニング、リーディング(読解力)、2次面接でのスピーキングなどを浅く広く学習する
- 将来的な展望・・・中学校での定期テストの点数アップや、大学受験の際の試験免除が期待できる
目的に合わせて選ぶ
英会話と英検の特徴をまとめてみましたが、それぞれの目的や内容、そして将来的な展望に至るまで、大きく異なります
その違いを踏まえて、英語の習い事を選ぶ必要があります

目的に合わせて習い事を選びましょう
実際に塾講師をしていると、中学校の英語や高校受験に必要な英語を小学生のうちから準備したい保護者が多いようです
そのような場合には、児童英検や英検の5級から勉強を始めることがおすすめです
【中学英語と高校受験対策なら】英検がおすすめ

中学の英語や高校受験の対策には、英検がおすすめです
これから英語学習を考えている、小学生の保護者の皆さんにおすすめなのが英検です
その理由は、主に次の2点です
- すべての小学生に英会話が必要とは限らないから
- ほぼすべての小学生が中学校、高校、大学、社会人で英語の文法的な学力が必要とされるから
もちろん、「将来、子どもを英語圏に留学させる」という明確なビジョンをお持ちなら、英会話をおすすめします
しかし、そうではなく、
- 英語を苦手になってほしくない・・・
- 中学校での英語のテストが心配・・・
などの理由で、英語学習を前倒ししてスタートしたいなら、個人的には英検をおすすめします
英検と学校英語は共通している
気になる英検の内容は、中学校から高校にかけての学校での学習内容と共通しています
そのため、小学校の頃から英検を学習すれば、中学校での英語の授業を予習することになり、結果として
小学生におすすめな英検は何級?

中学入学までに、英検の何級までの合格を目指せば良いのでしょう?
小学生で英検の受験を考える場合、中学入学までに
そこで、英検の学習は英検5級から始めることをおすすめします
英検と学校の英語との関係
英検の各級が中学校や高校のどの学年の内容に対応しているのかをまとめてみました
- 英検5級…中学校1年生終了まで
- 英検4級…中学校2年生途中まで
- 英検3級…中学校3年生終了まで
- 英検準2級…高校3年生終了まで
このうち、小学生が学習するのにそこまで難易度が高くないのが5級と4級です
学習塾の英語の授業や、英検対策の授業を受講することで4級までの合格は十分に可能です
もちろん、市販のテキストを使って自宅で学習して受験することも可能です
今後の大学受験でも英検が役立つ
2020年度からの新しい大学入試制度では、一部の大学で英検2級の資格保持で英語の入試が免除される可能性があります
そのため、多くの高校生が大学入試のために英検2級を受験する傾向があります
また、今後は大学入試制度に英検をはじめとする外部英語検定を採用する可能性があり、早めの英検合格が将来の大学受験での負担を軽減するかもしれません
【英検対策】おすすめテキスト2選

小学生の英検学習におすすめな問題集です
英検を学習するためのテキストは、学習塾教材をはじめ市販のものも含めると、数多く存在します
学習塾に通っている場合には、決められたテキストを使用する場合がほとんどですが、学習塾に通わない場合には、市販のテキストを使用します
ここでは、小学生が英検の勉強をする際のおすすめのテキストを2冊紹介します
学書 ▶英検突破
塾専用教材のため、学習塾に通っていないと購入することはできません
5級~2級までが出版されており、この1冊で英検受験に必要な基本的な知識を習得できます
▶英検突破についての詳しい情報はこちら
テキストの構成は、単元別に解説と問題が載っています
さらに、巻末には総合問題があります
別売りのリスニング用のCDもあり、リスニング問題の対策も行えます

塾専用教材ですので、塾の先生にお願いすれば購入可能かと思います
旺文社 ▶英検過去6回全問題集/CDシリーズ
5級~3級までは、市販の問題集と英検の公式ホームページ上にアップされている直近の過去問3回分で充分合格ラインに到達できます
一方、英検準2級からは、過去問の「やり込み」が重要です
そんな過去問を使った英検対策におすすめな問題集が、英検過去6回全問題集/CDシリーズ(旺文社)です
過去6回分の過去問に加え、2次試験の面接対策もできるため、往年の人気教材として有名です
▶過去6回分過去問
▶過去6回分CD
【要注意!】幼い頃からの英会話は注意が必要

幼い頃から英会話を勉強する場合は、注意が必要です
中学校からの英語対策におすすめな小学生の習い事は「英検」ですが、「英会話」が根強い人気を誇っていることも事実です
英検は、どちらかというと「英語を学ぶ」というスタンスが強いと思います
一方で、英会話は「英語で遊ぼう」、「楽しく話そう」というイメージが強いのではないでしょうか
しかし、この「英語で遊ぼう」、「楽しく話そう」には、注意が必要です
私たち日本人は、日常生活の中で英語を使用しません
その英語を子どもの頃から自分の意思ではなく、習い事として学ぶ場合、子どもが英語を嫌いになる危険性が常に存在していることを忘れてはいけません
特に、英語は日本語を使う他の教科と違い、独特な言語分野であるため、子どもの発達に合わせた学習の開始時期をしっかりと見極めることが肝心です
この点については、英会話に限らず英検の学習にも共通して言えることなのですが、特に英会話の開始時期については、家庭や指導者との話し合いの上、しっかりと判断することが子どものためにも大切です
まとめ
今回の記事では、
- 小学生に人気の英語の習い事は、「英会話」と「英検」
- 英会話と英検には、それぞれに特徴がある
- 中学校からの英語に備えるなら「英検」がおすすめ
- 幼少期の英会話には注意が必要
英語の学習は、他言語であることから、他の習い事とは異なる性質があります
また、小学生という時期は、日本語の能力も未熟なことから、英語学習を始めるタイミングは非常に重要です
小学生の英語学習では、目的と同時にこのタイミングに注意してほしいと思います
自分の意思がまだない子どもにとって、親の選択は結果的に子どもを「英語が得意」にも「英語嫌い」にもします
目的とタイミングに注意し、無理のない範囲で小学生からの英語学習をスタートさせることをおすすめします
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