小学生や中学生を対象とした学習塾には、大きく分けて2つの種類があります。それは、「集団指導」と「個別指導」です。

- 「集団指導」と「個別指導」の違いは?
- それぞれのメリットやデメリットは?

初めての塾選びでは、このような疑問をお持ちの方も多いと思います。
そこで、この記事では
- 集団指導と個別指導の違いと、それぞれの特徴とは?
- 集団指導と個別指導の、それぞれのメリットとデメリットとは?

塾講師として、10年以上にわたって小・中学生を指導している、私パンダが解説します。
【集団指導と個別指導】それぞれの特徴とは?

「集団指導」と「個別指導」、それぞれどんな特徴があるのでしょうか?
集団指導と個別指導の違いについて、明確な定めは存在しません。学習塾によって、集団指導か個別指導かの線引きは異なります。
そこで、一般的な集団指導と個別指導の大まかなイメージや特徴を捉えることをおすすめします。その上で、各学習塾の指導内容等を踏まえて、学習塾を選ぶことが重要です。
集団指導の特徴とは?
集団指導とは、講師1人に対して、生徒が約10名以上で行う指導のことをいいます。
この人数に関しては、学習塾によって異なりますが、イメージとしては生徒たち全員に対して、講師が黒板の前で授業を行うスタイルです。

学校の授業と同じようなイメージですね。
集団指導 ▶授業内容は?
集団指導での授業の流れは、下記の通りです。
- 講義
- 演習
- 演習の答え合わせと解説
- 次回までの宿題を確認
説明中に講師が生徒を指名して質問したり、反対に質問がある生徒が挙手をして質問します。一斉に演習問題を解かせ、その答え合わせや解説を行います。その際、講師に指名された生徒が、黒板で問題を解くことなどもあります。
個別指導の特徴とは?
一方、個別指導では講師1人に対して、生徒は1人、または2人というタイプが一般的です。
集団授業が学校の授業のイメージなら、個別指導は家庭教師の授業を教室で行うイメージです。
個別指導 ▶授業内容は?
授業の内容も、集団指導の場合と少し異なります。
- 前回の宿題の確認とその解説
- 講義
- 演習
- 演習の答え合わせと解説
- 次回までの宿題を確認
一見、集団授業と似ていますが、より個別に対応する形になります。
集団指導との違いは?

最も大きな違いは、授業の始めに前回までの宿題を個別に確認することです。
そのため、生徒にとってはその場で宿題に関する質問があれば解決でき、講師にとっても生徒の宿題への取り組みや理解度を把握することができます。
また、講師1人に対して生徒が1人か2人のため、集団授業とは異なり、講義というよりも教科書やテキストの内容を説明する授業スタイルとなります。
演習やその解説なども、集団とは違い個別に行うので、その場で質問と解説が講師と生徒の間で繰り返されます。

なんだか家庭教師の授業みたい!
【集団と個別】それぞれのメリットとデメリットは?

「集団指導」と「個別指導」のメリットやデメリットを確認しましょう。
ここでは、集団指導と個別指導のそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
同時に、そのメリットやデメリットを踏まえ、どんな子どもに向いているのか、また向いていないのかについてもご紹介します。
集団指導のメリットとデメリットは?
まずは、集団指導のメリットとデメリットについてまとめてみました。
集団指導▶メリット
集団指導のメリットは、主に下記の2点です。
- 集団授業のメリット①:周りのライバルたちの姿を直接目にすることができる。
- 集団授業のメリット②:講師との相性が悪くても、直接コミニュケーションをとる必要がない。
集団指導の最大のメリットは、常に自分以外の周りがどれくらい勉強しているのか、また周りの勉強している様子が情報として入ってくることです。
そのため、テスト前などに周りのやる気に自分自身も触発され、やる気にスイッチが入ることがあります。
もう1つのメリットは、講師との相性が悪くても、直接コミニュケーションをとる必要がないことです。
集団授業の場合、講師は担当する生徒一人ひとりと十分なコミュニケーションをとる時間を確保できません。裏を返せば、生徒にとって、苦手な講師や相性が合わない講師がいても、直接コミニュケーションを取る必要が無いわけです。どうしても質問しなければいけない場合は、学習塾の他の先生に質問すればよいのです。
集団指導▶デメリット
次に、集団指導のデメリットです。
- 集団指導のデメリット①:授業に出席していても、学習していない場合がある。
- 集団指導のデメリット②:あまり質問ができない。
デメリットとしてまず注意が必要なのが、学習塾で集団指導の授業に出席していても、学習していない場合がある、ということです。
具体的には、教室にはいるけれど居眠りや雑談をしている、集中していない、などの状況です。こうなる最大の原因は、周りにそのような同級生がいて、彼らに流されてしまうためです。これは、ごく一部の子どもに該当することですが、集団授業は文字通り多数の生徒が同じ教室で受講するわけですから、周りの悪影響を受ける可能性があるということです。
もう1つのデメリットは、講師1人に対して生徒の人数が多いため、講師の指導が行き届かないことです。
たとえ真面目に受講していても、分からない問題や質問がでてくることは当たり前です。しかし、授業中に質問することは難しいので、授業が終わった後などに、個人的に講師に質問する必要があります。
個別指導のメリットとデメリットは?
続いて、個別指導のメリットとデメリットをまとめてみました。
個別指導▶メリット
個別指導のメリットは、主に下記の2点です。
- 個別指導のメリット①:生徒一人ひとりの学校の内容にコミットしてくれる。
- 個別指導のメリット②:授業が高い確率で有意義な時間になる。
最大のメリットは、講師1人に対して生徒が1人または2人のため、より生徒の状況に合わせて授業が行われることです。
例えば、前回の宿題の確認や解説なども授業中に行われますし、学校の宿題や課題の質問も授業中にすることができます。つまり、生徒の学校の内容に合わせて授業が行われるため、細かな要望に応えてもらえるということです。
もう1つのメリットが、授業の内容が高い確率で有意義なものになることです。
個別指導の場合、授業中に生徒は講師とコミニュケーションを取り続けることになります。そのため、居眠りをしたり、他の生徒と雑談…なんてことはあり得ません。宿題の確認から演習の答え合わせ、解説まで、講師によってチェックされますから、授業中にサボることはできません。
講師の目が行き届くため、毎回の授業が高い確率で有意義な時間となるため、送り出す保護者にとっては安心できるといえます。
個別指導▶デメリット
次は、個別指導のデメリットです。主に下記の2点です。
- 個別指導のデメリット①:マイペースになりがちで、周りのライバルを意識しなくなる。
- 個別指導のデメリット②:講師にすぐに質問できるので、自分で考えなくなる。
実際に指導していて日々感じるのが、個別指導の生徒ほど、マイペースで周りのライバルの存在を意識しない傾向にあります。
テスト前になっても、講師が発破をかけないと勉強へのスイッチが入りません。小テストの点数が悪くても、周りに比較対象がいないため、焦る様子がありません。
もう1つのデメリットが、自分で考えなくなる恐れがあることです。
個別指導では、講師が常にそばにいて、質問すればすぐにヒントを教えてくれます。その環境に慣れていくことで、分からないことがあれば、自分で考えるよりも先に、すぐに講師に質問する癖がついていきます。

実際のテストでは、講師に質問することはできません。
普段から、まずは自分で考える習慣を身に着けることが大切です。
まとめ
今回の記事では、「【学習塾の選び方】集団指導と個別指導の違いと、それぞれのメリットとデメリット」について解説しました。
この記事の内容のおさらいです。
- 集団と個別の違い:授業での生徒の人数と授業の内容が違う。
- 集団指導のメリット:意欲的な周りの同級生からいい刺激を受けることができる。
- 集団指導のデメリット:講師に質問できないことや、周りに流されてしまう恐れがある。
- 個別指導のメリット:宿題に関する質問など、手厚い指導が期待できる。
- 個別指導のデメリット:周りのライバルの姿を目にできないことや、マイペースに陥る恐れがある。
集団指導も個別指導も、それぞれにメリットとデメリットがいくつかありました。
こうしたメリットとデメリットを踏まえた上で、お子さんに合っているのはどちらかを考えることが選び方のポイントだと思います。また、メリットをより重視する選び方もあれば、デメリットを回避する選び方もあります。
それでは、お子さんに合った学習塾と巡り合えることを願っています。
最後に、学習塾選びの際に役立つ、おすすめ情報をまとめておきます。
学習塾の選び方と入塾までの流れ
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