数的処理を勉強したいけれど、独学でもできるのかな…。難しそうだけで、高校の数学とは何が違うんだろう?独学での勉強法とおすすめの問題集を教えてください。
このような疑問にお答えします。
この記事の内容
記事の信頼性
この記事を書いている筆者は、家庭教師での公務員試験対策の指導歴18年ほど。これまでに、100人以上の高校生や大学生、社会人に数的処理を指導してきました。
この記事では、そんな筆者の経験を踏まえて、数的処理の独学での勉強法について解説します。また、筆者が実際に指導に使っている、独学におすすめな問題集もご紹介します。
※通信講座を受講するという近道
最近は数的処理だけを安く受講できるものもあり、短期間での習得がしやすくなりました。数的処理が苦手な方はもちろん、忙しい社会人や時間がない方には、問題集を使った独学よりも通信講座の受講をおすすめします。
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【初心者向け】数的処理が難しい理由
数学は苦手ではないのですが、数的処理はどうしても理解できません…。数学以外の知識も必要なの?
初めて数的処理を勉強する方の中には、このような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、そんな初心者の方向けに、「数的処理の試験内容」について簡単にまとめておきます。
※とりあえず、おすすめの問題集を知りたい方は「【数的処理】独学での勉強法【おすすめ問題集も紹介】」までジャンプしてください。
数的処理の試験内容
数的処理の試験は、
- 判断推理
- 数的推理
- 資料解釈
の3つの分野で構成されています。
一見、数学のように感じるかもしれませんが、数的処理はあくまで数学ではありません。
※数学の問題も含みますが、ごく一部です。
3つの分野は、下記のような問題で構成されています。
【数的処理】分野別の問題構成
- 判断推理:命題、論理、順序、嘘つき問題などのクイズに近い問題
- 数的推理:中学受験の算数と、中学・高校の数学の問題
- 資料解釈:グラフや図表などの統計資料から、正誤を判断する問題
こうしてまとめてみると、数学に近いのは数的推理のみです。判断推理や資料解釈では、数学の知識もさることながら、それぞれ特殊な解法が必要となります。
数的処理が難しい理由
上記でも触れたように、数的処理には算数や数学だけでなく、クイズに近い問題や資料を分析する問題が含まれています。そのため、数的処理という名前から数学だと決めつけて解こうとすると、簡単には解けません。
なぜ、多くの受験生が数的処理にここまで苦戦するのでしょうか?
【分野別】数的処理が難しい理由
- 判断推理:論理的思考と特殊な解法が必要だから
- 数的推理:中学受験の特殊算が必要だから
- 資料解釈:資料分析力と数学的でない解法が必要だから
いろいろと難しい言葉が出てきましたが、一言で言えば「学校で習っていないから」ということです。
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
判断推理:「論理的思考」と「特殊な解法」が必要だから
判断推理では、「嘘つき問題」や「位置関係の問題」などが出題されます。
これらの問題は、一見すると数学の問題のように感じます。しかし、問題集の解説を見てみると、数学の解き方を使っていません。
数学の教科書では目にしない三段論法や対応表を使ったり、複雑な図形を描いて、論理的に答えを導き出しています。
始めて数的処理を勉強する方は、こうした「論理的思考」や「特殊な解法」を理解することから始めなければいけません。
数的推理:「中学受験の特殊算」が必要だから
数的推理の問題は、下記の2つのジャンルから出題されます。
- 中学受験の算数の問題
- 中学・高校の数学の問題
このうち、「中学・高校の数学の問題」は特に問題ありません。問題なのは、「中学受験の算数の問題」です。
数的推理に出題される「特殊算」とは?
ご存知でない方向けに、特殊算について簡単に解説しておきます。
- つるかめ算
- 旅人算
- 流水算
- 和差算
上記のような解法をまとめて「特殊算」と言います。
特殊算では、xやyなどの変数を使った方程式を使いません。問題に合わせて、図や表などを使って答えを導きます。
資料解釈:「資料分析力」と「数学的でない解法」が必要だから
資料解釈の問題では、グラフや表などの資料を分析し、選択肢から正しい答えを選びます。
その際、計算が必要なことが多く、時間を短縮するために「近似値」と呼ばれるおよその数を用います。さらに、数学ならかけ算を用いる計算でも、あえて足し算を用いるなど、数学的でない解法を用います。
こうした数学的でない解法も数的処理ならではの解き方ですね。学校ではもちろん習いません。
【数的処理】独学での勉強法【おすすめ問題集も紹介】
数的処理を勉強する多くの方が、公務員試験や教員採用試験などの就職試験のために勉強します。
そこで、就職試験に合格するための独学での勉強法について解説します。また、筆者が普段の指導時に実際に使っている、独学におすすめな問題集もご紹介します。
独学での勉強法【3ステップ】
- ステップ①:過去問で傾向を知る
- ステップ②:問題集で類題を解く
- ステップ③:過去問をマスターする
それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
ステップ①:過去問で傾向を知る
公務員試験や教員採用試験を例にとってみても、各都道府県によって試験内容が多少異なります。そして、直近数年分の過去問を解いてみると、見事に出題傾向があることに気付きます。
【過去問】インターネット上で入手できることも
公務員試験や教員採用試験の過去問は、インターネット上で入手できることがあります。書店で購入する前に、まずはインターネット上で入手できないか調べてみましょう。
※ただし、インターネット上の過去問は、試験問題と模範解答のみの公開がほとんどです。解説はついていません。
例えば、大阪府の教員採用試験であれば、大阪府のホームページ内の「大阪府公立学校教員採用選考テスト」で過去問を公開しています。
おすすめ過去問題集:実務教育出版「合格の500/合格の350」
インターネット上で過去問を入手できない場合は、過去問題集を購入します。
おすすめは、実務教育出版の「合格の500/合格の350」シリーズです。
※数的処理以外の分野の問題も含みます。
各試験の全国の過去問から、頻出問題をピックアップして収録したタイプの問題集です。都道府県別ではありませんが、筆者が知る限りでは過去問の出題傾向を知ることができる最適な問題集です。
ステップ②:問題集で類題を解く
ステップ①で出題傾向を把握したら、問題集を使って類題を解きます。
※本番で出題される可能性が高い問題から順に、マスターしていこうという訳です。
ここでは、各単元のポイントをまとめたページが付いている、「参考書タイプ」の問題集を使います。各単元のポイントを理解するとともに、類題を使って解き方を習得します。
参考書タイプの問題集【おすすめ2選】
- おすすめ問題集①:(株)東京リーガルマインド「畑中敦子シリーズ」
- おすすめ問題集②:公務員試験予備校EYE「イッキに攻略!判断推理・数的推理」
おすすめ問題集①:(株)東京リーガルマインド「畑中敦子シリーズ」
初めて数的処理を勉強する方に最もおすすめなのが、「畑中敦子シリーズ」(通称、ワニ本)です。
※数的処理の問題集としても有名で、王道中の王道です。筆者が18年間、一途に使い続けている愛読書です。
数的処理が苦手な学習者に向けた内容で、初学者から経験者まで幅広い層の独学にピッタリです。独学で勉強するなら、この3冊があれば一通りの内容理解と苦手問題の解決に役立つはずです。
おすすめ問題集②:公務員試験予備校EYE「イッキに攻略!判断推理・数的推理」
「過去問をメイン教材として使用し、補助教材として問題集を1冊だけ使いたい」そんな方には、こちらの「イッキに攻略!判断推理・数的推理」がおすすめです。
コンパクトで持ち運びしやすいにも関わらず、問題の充実さと分かりやすい解説が特徴です。
ステップ③:過去問をマスターする
ステップ②で類題を鍛えたら、もう一度過去問に戻ります。
苦手な問題を中心に2回、3回と解けるまで繰り返し、最終的には全体の9割を正解できるまでやり込みます。
個人的な経験では、ステップ③のやり込み具合で合否が決する印象です。ご自身のためにも一切の甘えや妥協なく、過去問をマスターすることに全力を注ぎましょう。
補足:数的処理ができない人・苦手な人におすすめな勉強法
独学で頑張ってみたけれど、どうしても理解できません。時間だけが過ぎてしまうけど、大丈夫かなぁ…。
数的処理は学校では学習しないということもあり、なかなか理解できない人も少なくありません。
ここでは、そんな数的処理が苦手な人におすすめな勉強法をご紹介します。
「難しい」と感じたら、早めの対策を!
数的処理を勉強していて、「難しいなぁ…」とか「苦手だなぁ…」と感じたら、早めに手を打つようにしてください。
その理由は、公務員試験対策の中でも数的処理は出題数が多く、他の分野よりも理解するのに時間がかかるからです。
おすすめ:通信講座なら短期間で理解できる!
数的処理が苦手な人におすすめな勉強法は、通信講座を利用する方法です。
その理由は、スマホやパソコンで映像授業を視聴するだけで、独学よりも短期間で理解できるからです。
料金がかかるとはいえ、数的処理だけの講座なら1万円前後で受講できるものもあるので、本気で理解したいなら検討してみる価値は十分にあるかと思います。
なお、数的処理が苦手な人におすすめな通信講座は、「【公務員試験】数的処理の勉強におすすめな通信講座3社【選び方も解説】」にまとめています。
【公務員試験】数的処理の勉強におすすめな通信講座3社【選び方も解説】
数的処理の勉強におすすめな通信講座を知りたい方向け。この記事では、数的処理の指導歴18年の現役プロ家庭教師である筆者が厳選した、「この会社なら間違いなし!」というおすすめの3社を紹介しています。また、通信講座の「選び方のポイント」についても解説しています。
まとめ
というわけで、今回は以上です。
数的処理の独学での勉強法について解説しました。また、筆者が実際に指導時に使っている、独学におすすめな問題集も紹介しました。
この記事のおさらいです。
独学での勉強法【3ステップ】
- ステップ①:過去問で傾向を知る
- ステップ②:問題集で類題を解く
- ステップ③:過去問をマスターする
続いて、この記事で紹介した問題集です。
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