小学生男子向け!作文が得意になるおすすめ本「ズッコケ三人組」

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近年、スマホやゲームの影響で、小学生の読書離れが問題になっています。また、作文や国語の読解が苦手な小学生が目立ちます。

  • 子どもに読書の習慣がつかない…
  • 子どもが作文が苦手で困っている。
  • 小学生の男の子が夢中になる、おすすめの本は?
パンダ先生
パンダ先生

このような疑問・悩みにお答えします。

そこで、この記事では

小学生男子向け!作文が得意になるおすすめ本「ズッコケ三人組」シリーズ
をご紹介します。
この記事の内容
  • 小学生が作文が苦手な理由とは?
  • 読書習慣が定着する、男の子が夢中になる本「ズッコケ三人組」シリーズとは?
  • 「ズッコケ三人組」シリーズで作文が得意になる理由とは?

家庭教師・塾講師として、10年以上にわたって小学生を指導している、私パンダが解説します。

小学生が作文が苦手な理由とは?

小学生が作文が苦手な理由は何でしょう?

小学生を対象に家庭教師や塾講師として指導していると、生徒の保護者から子どもの作文に関する悩み相談を数多く耳にします。

どうすれば作文が得意になりますか?

作文が苦手で困っています…

高校受験を見据えた文法や古文などを学習する中学校に比べ、小学校では音読や作文など、文章への理解や興味関心に力を入れた教育が行われます。

そのため、授業や宿題では、日記や感想文、作文など、文章を書く機会が数多く存在します。そんな時、文章が書き出せない、またはどう書いてよいのか分からない、という小学生が多いようです。

そんな、小学生が作文が苦手な理由は何なのでしょうか?

その原因として考えられるのが、「読書量が足りないこと」です。

読書量と作文には、どのような関係があるのでしょうか?

小学生の読書量 ▶30年前の3分の1に

小学生の読書量は、2019年には30年前の3分の1まで減っています。

下のグラフをご覧ください。

これは、学研教育総合研究所が行った、小学生の日常生活と学習に関する調査の、「1カ月の読書量に関する調査結果」です。上のグラフが1989年のデータで、下のグラフが2019年のデータです。

小学生の1カ月あたりの読書量 (1989年)

出典:学研総合教育研究所 小学生白書Web版 1989年調査

小学生の1カ月あたりの読書量 (2019年)

出典:学研総合教育研究所 小学生白書Web版 2019年調査

この調査結果からも分かるように、小学生の読書量はこの30年で約3分の1にまで減少しています。そして、その間ゲームやスマホ依存の小・中学生が増加し、現在大きな社会問題となっていることはご存じの通りです。

普段から読書をする習慣がほとんどない子どもにとって、「文章を書きなさい」と言われても書けるはずがありません。まして、日記や感想文ならまだしも、物語文を書くとなると、もはや書き出しの1行目からつまづいてしまうのです。

小学生の男子が夢中になる!?おすすめの本とは?

作文が得意になるためには、読書の習慣が欠かせません。

作文が得意になるためには、やはり読書量が欠かせません。しかし、そのためには読書をする習慣を定着させる必要があります。

この「読書をする習慣」というのが、なかなかハードルが高く、定着させるのは至難の業です。定着するとは、放っておいても勝手に読書をするようになることです。そのためには、それなりに子ども自身が夢中になるような本が必要です。

そこでおすすめしたいのが、今回ご紹介する「ズッコケ三人組」シリーズです。

私自身が、小学生の頃に最も夢中になった本の1冊ですが、小学生の男の子にとって夢中になる要素がたくさん詰まっています。

本の中の主人公3人が、性格の全く異なる小学6年生の男の子ということもあり、ほとんどの小学生の男の子にとって手に取りやすい設定だと思います。

また、活字の文庫本ですが、数ページおきに挿絵が入った飽きさせない内容になっており、普段読書の習慣がない小学生にとっても、読みやすい工夫が感じられます。

» ポプラ社「ズッコケ三人組」シリーズの公式サイトはこちら

おすすめ本▶ 「ズッコケ三人組」シリーズとは?

「ズッコケ三人組」シリーズは、ポプラ社から出版されている、作者が那須正幹さんという方の小学生向けの文庫本です。

以下、ポプラ社の「ズッコケ三人組」シリーズの公式サイトでの作品紹介です。

「ズッコケ三人組」は、短期でおっちょこちょいのハチベエ、物知りで思慮深いけど理屈っぽいハカセ、スローモーで気持ちがやさしいモーちゃんという男の子三人組が活躍する、物語シリーズです。

ハチベエたちが住むのは、稲穂県ミドリ市花山町。
ハチベエたちは花山第二小学校6年1組のクラスメイトです。

1978年に1巻目の『それいけズッコケ三人組』が刊行されると、たちまち子どもたちに人気になり、たくさんの読者に支持されながら、2004年刊行の50巻目『スッコケ三人組の卒業式』までシリーズが続きました。

また、「まだ終わらないで!」というたくさんのリクエストを受けて、2005年に、三人が40歳の大人になってからの話『ズッコケ中年三人組』が出版され、シリーズ化して、2015年、三人が50歳を迎えた『ズッコケ熟年三人組』の刊行をもって、本当のシリーズ完結となりました。

その間、作品は映画やテレビドラマ、アニメなどに映画化されたり、人形劇になったり、本の世界を超えてひろがっていきました。

それぞれ個性的だけど、全員どこかズッコケたところがあって仲のよい三人組の物語は、今も小学生から大人まで、たくさんの人に読まれ、愛されています。

出典:ポプラ社 「ズッコケ三人組」公式サイトより

なお、「ズッコケ三人組」シリーズは、電子書籍でも購入できます。パソコン、タブレット、スマホでの読書におすすめです。

「ズッコケ三人組」を読めば、作文が得意になる理由とは?

「ズッコケ三人組」シリーズは、ただ読書に夢中になれるだけではなく、作文が得意になるヒントが詰まっています。

「ズッコケ三人組」シリーズは、1978年に1巻目が刊行された物語シリーズであるため、スマホやゲームが溢れる現代とは時代背景が少し異なります。しかし、現在も町の図書館や小学校の図書館で貸し出しがされていることから、現代の小学生にとってもおすすめの本として捉えられていることが分かります。

そして、「ズッコケ三人組」シリーズを手に取ってみると、作者の那須正幹さんが小学生の読者が読みやすいように、様々な工夫をされていることが随所に感じられます。その中でも、私が個人的に感心しているのが、この「ズッコケ三人組」シリーズを読むだけで、自然と作文が得意になるヒントが含まれていることです。

そこで、ここではその作文が得意になるヒントをご紹介したいと思います。

作文が得意になる理由① ▶作文の冒頭部分の書き方が分かる

小学生が作文を書く際、最も苦手なことは「作文の冒頭部分」です。

作文が苦手な小学生の多くが、作文の冒頭部分の書き方が分からないようです。

「ズッコケ三人組」シリーズでは、毎回異なる話の中で、この冒頭部分で必ず物語の舞台を紹介します。その舞台を紹介する文章を実際の冒頭部分を例に紹介したいと思います。

  • ミドリ市は、瀬戸内海にめんした中国地方の都市である。本日のドライブコースは、まず中国自動車道にはいり、県北の勝川狭という景勝地を見物し、もどりは中国山地を南下して、瀬戸内へ出るという計画だった。(ズッコケ山賊修行中)
  • 「ああ、その記事ならぼくも読んだよ。」めがねをかけた、やせっぽちの少年が、まゆにしわをよせてうなずく。ここはミドリ市の西のはずれ、花山第二小学校六年一組の教室だった。(ズッコケ結婚相談所)
  • ミドリ市にある花山第二小学校の修学旅行も、ここ数年来、山陰方面への一泊二日が恒例のコースとなっていた。(夢のズッコケ修学旅行)
  • ところは瀬戸内海にめんしたミドリ市の西、花山町は花山第二小学校の正門まえである。夏休みがすんで、二学期がはじまっていた。(花のズッコケ児童会長)

この4冊の例からも分かるように、物語の冒頭では、必ず読者に対して物語の舞台を紹介しています。これは、「ズッコケ三人組」シリーズを初めて読む読者に、舞台となるミドリ市や3人が通う花山第二小学校について、簡単に紹介する必要があるからです。

「ズッコケ三人組」シリーズを読む読者にとっては、この冒頭部分での物語の舞台を紹介する文章が毎回のように登場することに気が付きます。

そして、シリーズを読み続ける中で、自然と作文の冒頭部分の書き方を覚えてしまうのです。

花のズッコケ児童会長 こども文学館 / 那須正幹 【本】

作文が得意になる理由② ▶作文のまとめの書き方が分かる

「ズッコケ三人組」シリーズを読むことで、作文のまとめの書き方が分かります。

「ズッコケ三人組」シリーズに関わらず、どんな物語でもまとめの章や段落、そして末尾の文章は、その物語の中で最も重要な部分です。

最後まで読んだ読者にだけ、味わえるご褒美のような印象があり、このエンディングの文章によって、読み終わった後の余韻が異なります。そのため、読者のほとんどが、作者がエンディングでどのように物語を締めくくるのかを楽しみにしながら読み進めているのです。

そして、読者もまた、自分自身が作文を書く時には、まとめの重要性を心得るようになるのです。

「ズッコケ三人組」シリーズでは、実際にどのような末尾になっているのでしょうか?

  • その夜、彼らが見た夢は、もちろん修学旅行の思い出であったにちがいない。(夢のズッコケ修学旅行)
  • うれしさをだすのがてれくさいもんだから、わざとにくまれ口をたたいているのだ。愛すべき友人が、よその町にひっこしていかないことがわかって……。(スッコケ結婚相談所)
  • 城賀駅でディーゼルカーに乗りこむころ降りはじめた雪が、いま、あたりの山やまを白いベールのなかへとおおいかくそうとしていた。(ズッコケ山賊修行中)

断定的な表現を用いることで、読者に心地よい余韻を与えたり、あえて結論を書かずに読者の想像に任せることで、読み終わった後の読者に楽しみを与えるなど、様々な工夫が感じられます。また、情景を表現することで、読者自身がまるで物語の世界に居るような錯覚さえ覚えます。

中には、冒頭の文章と末尾の文章をリンクさせるような方法を用いることもあります。

  • 冒頭:松尾芭蕉の俳句に、こんなのがある。
    “赤あかと 日はつれなくとも 秋の風” 
    夕日は、あかあかと照りつけて、まだまだ暑いけれど、からだを吹きぬけていく風だけは、もうどことなく秋のけはいが感じられる。
  • 末尾:芭蕉の句にこんなのがある。
    “夏草や つわものどもが 夢のあと”
    まどの外は、秋のまっさかり……。

「花のズッコケ児童会長」より

このような表現を読書の度に目にすることで、物語の中で末尾の文章に作者がどれだけ力を入れているかが分かります。このような読書の体験から、作文での冒頭部分の書き出しや、末尾のまとめ方を自然と覚えるようになるのです。

作文が得意になる理由➂ ▶読み手を考えて文章が書けるようになる

「ズッコケ三人組」シリーズは、会話文が中心に描かれています。

多くの小学生が「ズッコケ三人組」シリーズに夢中になる理由の1つが、物語の大半が会話文で描かれているためです。

図書館で、「ズッコケ三人組」シリーズの1冊を手に取って開いてみてください。すると、どのページにも登場人物たちの会話文が所狭しと並んでいることに気付きます。

この会話文の多さは、物語の場面展開にリズムを与え、読者を物語の中へ引きずり込み、夢中にさせる作者のテクニックでもあります。

会話文が多い作文が書けるようになる

「ズッコケ三人組」シリーズを夢中で読み続けていると、登場人物の会話が中心に物語が進行していくことに気付きます。会話文が多ければ多いほど、読者にとっては情景がイメージしやすくなり、奥行きのある物語を表現できます。

このような読書の経験から、子ども自身が作文を書く際に、会話文中心の作文が書けるようになるのです。その結果、読み手にとってより物語の情景がイメージしやすくなり、登場人物の具体的な口調が分かり、性格も想像できるようになります。

読み手を意識して文章が書ける

もちろん、このようなテクニックは学校の授業では教えてくれません。子ども自身が読書の経験の中で、自然と覚えていくことなのです。だからこそ、読書の習慣が作文が得意になるためには、必要不可欠なのです。

小学生ながら、自分が読書の中から感動を覚え、自分が作文を書く時には、今度は先生なりその文章を読む相手に対して、自身の文章で感動を伝えようとするようになるのです。それが、読み手を意識して文章を書く力であり、多少なりとも作家と同じ考え方に至るということです。

まとめ

今回の記事では、「小学生男子向け!作文が得意になるおすすめ本「ズッコケ三人組」シリーズ」をご紹介しました。

今回、この記事を書くにあたって、「ズッコケ三人組」シリーズが1巻目の刊行から約40年経った現在でも図書館にあることや、今でも小学生を中心に人気があることを知りました。こんなに面白い本がある一方で、この30年で小学生の読書量が減り続けていることは、残念でなりません。

1人でも多くの小学生に、「ズッコケ三人組」シリーズをはじめ、読書の楽しさを知ってほしいと願うばかりです。そして、少しでも多くの小学生に、作文で物語を作る楽しみを知ってほしいと思います。

最後に、小・中学生の読書習慣や作文のヒントになる、おすすめ情報をまとめておきます。

読書習慣の定着に!おすすめサイト

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読書の習慣を定着させる方法

子どもに読書の習慣を定着させる方法については、「【保護者必見】子どもに読書の習慣を定着させる方法とは?」の記事をどうぞ。

https://sho-jikiblog.com/dokusho-shukan

子どもを読書好きにする方法

図書館に通って子どもを読書好きに育てる方法については、「【本嫌いにさようなら】子どもを読書好きに育てる方法とは?」の記事をどうぞ。

https://sho-jikiblog.com/kodomo-dokusho-suki

子育てに関するご質問

読書をはじめとする、小・中学生の保護者からの質問に関するその他の記事は、「子育てママのお悩みQ&Aまとめページ」からどうぞ。

https://sho-jikiblog.com/qa

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