
中学生が燃え尽き症候群から回復する方法は?
不登校になった時の復学・進学の方法は?
このような疑問にお答えします。
この記事の内容
- 中学生が燃え尽き症候群から回復するには?
- 不登校になった時の復学・進学の方法
燃え尽き症候群の中学生を複数人指導した経験がある、指導歴16年の筆者が解説します。
中学生が燃え尽き症候群から回復するには?
中学受験後の中学生に多く見られる燃え尽き症候群。中学校での勉強に対して意欲がわかず、成績が低迷する症状です。
筆者もこれまでに、十数名の燃え尽き症候群の中学生を指導してきました。この記事では、そんな筆者の経験も交えて、現在お子様が燃え尽き症候群でお悩みの保護者に向けたアドバイスができたらと思います。
燃え尽き症候群になったら…
我が子が燃え尽き症候群では?と感じたら、どうすればよいのでしょうか?
その答えは、下記の2点だと考えています。
- お子様本人を責めない
- 無理に勉強させない
お子様本人を責めない
燃え尽き症候群になる原因のほとんどは、中学受験での受験勉強から来る過度なストレスです。
お子様本人には、何の責任もありません。
しかし、燃え尽き症候群の初期症状の頃は、お子様が怠けているように感じ、厳しく叱ってしまう親も少なくありません。
燃え尽き症候群だと分かった時点からでも遅くはありません。まずは、お子様の状況を理解し、受け入れることから始めましょう。
無理に勉強させない
長期間にわたる塾通い、長時間に及ぶ授業、膨大な量の宿題…これらのストレスは、中学受験を経験した中学生しか感じないものです。その証拠に、中学受験を経験しない公立の中学生に燃え尽き症候群の症状を見たことがありません。
これらのストレスを発散できずにいると、中学校での勉強に対してやる気が起こらない、意欲的に取り組めない、といった状況に陥ってしまうのです。
そこで、まずは中学受験での受験勉強でたまったストレスを発散させる必要があります。ゲーム、音楽、テレビなど、どんなことでも構いません。お子様本人が、これまで我慢してきたことをさせてあげましょう。
焦りは禁物!不登校になることもあるので注意
燃え尽き症候群からの回復を焦ってはいけません。その理由を筆者の経験を例にご紹介します。
筆者がこれまでに目にしてきた燃え尽き症候群の中学生の9割以上が男子中学生でした。そして、そのほとんどが中学校の勉強に対して無気力になり、その代わりにゲームに夢中になっていました。
彼らにとって、受験勉強の間にゲームを我慢していたことが大きなストレスだったようで、その反動が中学入学後に現われたのです。そんな時に、無理に勉強させても逆効果です。それよりも、しばらくはゲームをさせるなど、過度なストレスからの解消を図るべきです。
回復までに1年以上かかることも…
と言いますのも、筆者が目にしてきた燃え尽き症候群の中学生のほとんどが、回復するまでに1年以上を要したからです。
また、燃え尽き症候群が長引くと、お子様の性格や周りの環境によっては不登校になることも想定されます。不登校になると、復学するまでにさらに時間を要します。
たとえ燃え尽き症候群であっても、学校へ通学しているなら、成績に関しては目をつぶる方が賢明です。
回復してから勉強すればよい
燃え尽き症候群になると、どうしても成績が低迷します。そのため、保護者にとっては将来の進学が心配になり、ついつい不安をあおってしまいます。
しかし、勉強の遅れや復習は、燃え尽き症候群から回復してからでも間に合います。特に、高校受験がない中高一貫校なら、そこまで心配する必要はありません。
さらに付け加えると、勉強しないといけないことは子ども自身も分かっています。
これが燃え尽き症候群の症状です。そんな状況で将来への不安をあおってしまうと、かえって精神的に不安定になり、現実から目を背けてしまう恐れさえあるのです。
そういう意味でも、燃え尽き症候群からの回復には、親や学校の先生など、周りの大人たちの接し方が非常に重要なのです。
不登校になった時の復学・進学の方法
燃え尽き症候群がきっかけとなり、不登校になる中学生が年々増加しています。
不登校になるとゲームへの依存度が高まったり、夜型の生活になるなど、健康面への影響も出やすくなります。家から出ることが少なくなると、保護者にとってもお子様の将来への不安が大きくなります。そもため、1日でも早く学校へ戻って欲しい(復学してほしい)と願う保護者がほとんどです。
しかし、休んでいた期間が長ければ長いほど、以前の環境で勉強することは困難です。たとえ復学しても、再び不登校になることも珍しくありません。
そこで、復学だけにこだわらず、お子様が無理なく勉学へ戻れる環境を見つけることが重要です。場合によっては、復学ではなく新たな進路へ導いてやることも必要です。
復学・進学の方法
不登校からの復学・進学の方法は、ケースによって異なります。
- ケース①:中学校や高校に復学する場合
- ケース②:中学校には復学せず、全日制の高校を受験する場合
- ケース③:中学校には復学せず、通信制の高校を受験する場合
上記の通り。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
ケース①:中学校や高校に復学する場合
元いた中学校や高校へ復学する場合です。
上記3つのケースの中でも、最もハードルが高い方法です。その理由は下記の通り。
- 専門的な知識を持ってた先生が少ない
- 先生や同級生など、周りの理解を得られにくい
- 学校によってサポートが異なる
休んでいた期間が長くなると、同級生と同じ授業を受講することは難しくなります。そのため、別室でプリントを解くような受講になるケースもあります。
こうした学校の対応の仕方は、お子様本人や保護者が望んでいた形と同じであるとは限りません。そして、学校や先生、同級生などの理解が得られない場合、再び不登校へと逆戻りすることがあります。
なお、全日制の高校への進学を希望していて、出席日数のために中学校への復学を考えているのならば、その必要はありません。その理由は、ケース②で詳しく解説します。
復学を目指すなら専門家のサポートが必須
中学校や高校へ復学するなら、専門的な知識を持った家庭教師のサポートが必須です。学習面での復学へ向けた準備と復学後のサポートはもちろん、心のケアなくして成功はあり得ません。
また、お子様の不登校という初めての経験に、精神的に苦労される保護者も少なくありません。お子様や夫婦間での意見の対立、学校の対応など、様々な状況に振り回される方がほとんどです。そんな時、様々な悩みに対して専門的なアドバイスができる家庭教師は、心強い存在となります。
家庭教師派遣会社の中には不登校コースを設けている会社があり、不登校生の指導経験がある講師を派遣しています。なお、筆者が不登校生におすめする家庭教師派遣会社は、下記の記事にまとめています。
≫ 入会金無料あり:プロが選ぶ不登校生におすすめな家庭教師5社
ケース②:中学校には復学せず、全日制の高校を受験する場合
中学校には復学せず、全日制の高校を受験する場合です。
この場合、高校受験の際に中学校での欠席日数が多いと不利になってしまう恐れがあります。特に、公立高校では、出願時に高校へ提出する調査書に出席日数が記入されるため、合否に影響すると言われています。一方、私立高校の場合は、学校によって出席日数の扱いが異なります。
いずれにしても、全日制の高校を受験する際には、実質的には一定の出席日数が必要となります。そのために中学校への復学を急ぐ不登校生が多いわけですが、実際にはその必要はありません。
出席扱いになるオンライン学習を利用する
オンライン学習の「すらら」を利用すれば、自宅での学習時間が出席日数として認定されます。
※オンライン学習を知らない方へ
オンライン学習とは、自宅でパソコンやタブレットを使って学習する方法です。あらかじめ録画された映像授業を視聴したり、アニメーション教材などを使って勉強します。オンライン学習によっては、専用のテキストを使って学習するタイプもあります。
こうしたオンライン学習の中でも、自宅での学習時間が中学校の出席日数として扱われるのが「すらら」なのです。
中学校の学習内容であれば、「すらら」のようなオンライン学習で十分に理解できます。また、「すらら」は無学年制教材のため、学年をさかのぼって学習することも可能です。
ケース③:中学校には復学せず、通信制の高校を受験する場合
中学校には復学せず、通信制の高校を受験する場合です。
個人的には、この方法が最もおすすめです。その理由は、下記の通り。
- 中学校での出席日数に関わらず受験できる
- 不登校生への理解がある
- 同じような境遇の仲間に出会える
- 中学校の復習から学習できる
ケース①やケース②に比べても、大幅にハードルが低く、無理なく勉学に復帰できます。特に、お子様が現実から目を背けたがるタイプなら、この方法が最も現実的です。
実際、これまでに指導した不登校生のほとんどが、この方法で高校へ進学していきました。
具体的な方法は、ケース②の全日制の高校を受験する場合と基本的には変わりません。「すらら」などのオンライン学習を利用した中学校の復習からスタートし、必要に応じた家庭教師の利用がおすすめです。
ただし、出席日数を気にする必要はありませんので、お子様にピッタリなオンライン学習を利用してください。なお、筆者がおすすめなオンライン学習は、下記の記事にまとめています。
≫【中学生向け】高校受験おすすめオンライン学習7選
お子様自身に高校進学への意識を持たせる
不登校になると、現実から目を背けがちになる中学生も少なくありません。放っておくと、長期間にわたって学業から遠のいてしまう恐れもあります。
その一方で、高校進学は将来の大学受験や社会人として自立するためにも、本人が考えている以上に重要です。そのためにも、まずはお子様自身に高校進学への意識を持たせなければいけません。
しかし、思春期ということもあり、親が口うるさく言っても聞く耳を持たないかもしれません。そのような場合には、通信制高校のパンフレットを机の上など、お子様の目に止まる場所に置いてみてください。パンフレットを目にすることで、高校進学について真剣に考えるきっかけとなります。
無料:通信制高校のパンフレットの入手方法
通信制高校のパンフレットは、下記の比較サイトにて無料で入手できます。
ズバット通信制高校比較:通信制高校・サポート校・高卒認定予備校
なるには進学サイト:通信制高校・専門学校・通信制大学
ズバット通信制高校比較は、全国の通信制高校、サポート校、高卒認定予備校の資料やパンフレットをまとめて請求できます。なるには進学サイトは、通信制高校だけでなく、専門学校や通信制大学の資料をまとめて請求できます。
上記2サイトとも無料で資料請求できるので、まずは資料請求から始めてみましょう。お子様本人だけでなく、保護者にとっても通信制高校の仕組みや全日制の高校との違いを理解することは大切です。
まとめ
以上、中学生の燃え尽き症候群から回復する方法と、不登校からの復学・進学の方法について、筆者の経験を交えて解説しました。
燃え尽き症候群そのものについては、決して珍しいことではなく、あわてる必要はありません。しかし、燃え尽き症候群が原因で不登校になっているなら話は別です。
この記事でご紹介した3つの方法から、お子様にベストな方法を選び、高校進学を目指さなければいけません。繰り返しになりますが、個人的には最もハードルが低い通信制の高校を受験する方法がおすすめです。
ぜひ、資料やパンフレットを請求して、通信制の高校について調べることから始めてみましょう。
コメント