進学塾の成績が上がりません…。家庭教師をつけたら成績が上がるのかしら?進学塾と家庭教師を併用した場合、具体的にどのような指導を受けられるか、詳しく教えてください。
このような悩み・疑問にお答えします。
記事の内容
記事の信頼性
この記事を書いている筆者は、塾講師・家庭教師での中学受験の指導歴18年ほど。これまでに、1,000人以上の受験生を指導してきました。
この記事では、そんな筆者の「進学塾と併用している」受験生への家庭教師での指導内容を公開します。また、苦手克服のために行っている指導内容も、4科目それぞれの具体例を交えながら紹介します。
記事を読む際の留意点
この記事で紹介する指導内容は、あくまでも筆者の指導法あり、すべての家庭教師に該当するわけではありません。それでも、家庭教師によって大きな差はないと考えています。
また、この記事では普段筆者が指導している浜学園と馬淵教室を例に、進学塾と併用した場合の指導内容を紹介します。ただし、(サピックスや四谷大塚、日能研などの)他の進学塾との併用であっても、同様の指導内容をイメージしていただいて構わないと思います。
前置きが長くなりましね。それでは、早速見ていきましょう!
【進学塾と併用】家庭教師にどのような指導をしてもらえるのか?
家庭教師をつけたら、どんなフォローをしてもらえるの?
家庭教師に興味をお持ちなら、このように感じている方も少なくないはず。
先に結論をお話しすると、進学塾と家庭教師を併用する受験生の指導内容は、公開テストのフォロー(公開テスト対策)がほとんどです。
その理由は、
- 公開テストの成績が上がらない
- 公開テストの結果が悪かった
- 志望校に必要な偏差値に届かない
といった悩みから、家庭教師を検討する方がほとんどだからです。
家庭教師による「公開テスト対策」の指導内容は?
公開テストの成績を上げるために、プロ家庭教師である筆者が普段行っている指導内容をご紹介します。
筆者の公開テスト対策の指導内容
- (1)公開テストのやり直し
- (2)公開テストの過去問演習
- (3)暗記用ノートの確認テスト
上記の3点は、公開テストの成績を上げるためには必須と考えています。そのため、まずは上記の3点からスタートします。
それぞれ、詳しく解説します。
(1)公開テストのやり直し
まずは、公開テストのやり直しです。
お子さまが過去に受験した公開テストを引っ張り出してきてもらいます。そして、不正解だった問題をノートにやり直していきます。
「やり直し」で注意していること
公開テストのやり直しで注意していることが2点あります。
- 注意①:算数と国語、理科(計算問題)は解けるまで繰り返す
- 注意②:社会と理科(暗記問題)、国語(漢字や語句)は暗記用ノートを作る
注意①としては、算数や国語、理科の計算問題は、自分で解けるようになるまで繰り返しやり直しをさせます。(※宿題として出しています)
注意②としては、社会や理科、国語の暗記すべき語句は、問題用紙のコピーをノートに貼り、答えを赤ペン(またはオレンジペン)で書きます。こうすることで、暗記用赤シートで答えを隠せる暗記用ノートが完成します。(※この暗記用ノートは、後ほど(3)の「暗記用ノートの確認テスト」で使用します)
なお、公開テストのやり直しの方法については、「【自分でできる!】公開テストの点数が上がる「解き直し」の方法」の記事で詳しく解説しています。
【自分でできる!】公開テストの点数が上がる「解き直し」の方法
「公開テストの解き直しをしたいけれど、どうやってすればいいのかしら…。点数アップに繋がるいい方法を知りたいです。受験生本人が自分でできる、具体的な方法を教えてください。」←このような疑問にお答えします。この記事では、受験生本人が自分でできる公開テストの解き直しの方法について解説しています。
(2)公開テストの過去問演習
続いて、公開テストの過去問を解きます。
(1)の「公開テストのやり直し」だけでは、公開テストの成績は上がりません。その理由は、次回以降の公開テストでは、(過去の回では出題されていない)新たな単元が出題されるからです。
そこで、昨年や2年前の公開テストの過去問を入手し、同じ回(第2回を受験するなら第2回)の過去問を公開テスト前に解いてみます。
過去問を解いて不正解だった問題は、(1)の「公開テストのやり直し」と同様にノートにやり直しをします。
公開テストの過去問演習をすることで、
- 不正解だった問題の正しい解き方が分かる
- どんな単元が出題されているかが分かる
- (正答率が低い)解かなくて良い問題が分かる
といった効果が期待できます。
もちろん、公開テストの成績アップが期待できることは言うまでもありません。
出題されそうな単元を予想します
小5までの公開テストとは異なり、小6からは公開テストの出題範囲が発表されない進学塾がほとんどです。
そこで、過去問演習を通じて次回の公開テストで出題されそうな単元や問題を筆者が予想します。
予想の仕方はシンプルで、
- 今年の公開テストにおける、これまでの出題状況
- 浜学園の授業の進捗状況
などをヒントに予想します。
出題が予想される単元や問題は、特に念入りに復習(と暗記できたかの確認テスト)をするようにしています。
なお、筆者の出題範囲の予想の仕方は、「【浜学園公開テスト対策】理科の出題範囲を予想する方法を公開します」の記事で公開しています。興味がある方はどうぞ。
【浜学園公開テスト対策】理科の出題範囲を予想する方法を公開します
「次回の公開テストでは、どの単元が出題されるのかしら…。少しでも絞れるなら、公開テスト対策がしやすくなりそう。理科の出題範囲を予想する方法を教えてください。」←このような疑問にお答えします。この記事では、筆者が実際に行っている理科の出題範囲を予想する方法を公開しています。
補足:過去問の入手方法
馬渕教室などのように、公開テストの過去問題集を販売している進学塾なら、この過去問題集を使って過去問演習を行います。
一方、浜学園のように公開テストの過去問題集を販売していない進学塾の場合は、メルカリなどで過去問の原本を購入しなければいけません。
その場合、過去問が高額で取引されていることが多いので、必要な分だけを購入してもらうようにしています。
なお、過去問の購入方法と必要な過去問の量については、「【浜学園公開テスト】過去問を入手する2つの方法【注意点も解説】」の記事で解説しています。
【浜学園公開テスト】過去問を入手する2つの方法【注意点も解説】
「公開テストの過去問がほしいけれど、どうすれば入手できるの?具体的な入手方法を教えてください。」←このような疑問にお答えします。この記事では、公開テストの過去問の入手方法について解説しています。また、過去問を使った勉強での注意点についても解説しています。
(3)暗記用ノートの確認テスト
最後に、暗記用ノートの確認テストです。
(1)「公開テストのやり直し」と(2)「公開テストの過去問演習」のやり直しの際に作った、「暗記用ノート」の確認テストを行います。
確認テストをする内容は、
- 国語:漢字、ことわざ、慣用句、四字熟語
- 理科:重要語句
- 社会:重要語句
など、暗記必須の語句が中心です。
確認テストは筆者が口頭で出題したり、暗記用赤シートで答えを隠して出題したりします。時間は5分〜10分程度です。
予めページや範囲を決めることもあれば、範囲を決めずにランダムに出題することもあります。
確認テストをしなければ暗記しません
筆者が暗記用ノートの確認テストを行う理由は、確認テストをしなければほとんどの受験生が暗記できないからです。
しかし、ご存知の方がほとんどかと思いますが、中学受験は暗記こそが最も重要です。
だからこそ、ノートにやり直しをしただけで満足していてはいけません。暗記用ノートの内容を完璧に暗記するまで、ひたすら出題し続けます。
ちなみに、この付箋が効果的で、ほとんどの受験生が正解して付箋を外そうと、一生懸命暗記に励んでくれます!
公開テスト対策のポイント:不正解を放置しない!
筆者の公開テスト対策の指導内容を3つの内容に分けて紹介しました。
「実際、この方法で効果あるの?」と疑問に思われた方に向けて、筆者がなぜこのような指導を行っているのか、その理由についても触れておきます。
公開テストに限らず、学力を上げるための1番のポイントは、「不正解を放置しない!」だからです。
不正解だった問題は、やがてどこかで再び目にする日がやってきます。その時、正解できるようになっていなければいけません。
そのための一番の近道こそが、上記でご紹介した「不正解のやり直しをして、暗記する」という方法です。
苦手克服のための指導内容は?【4科目それぞれの具体例を紹介】
国語の成績だけがどうしても上がりません…。このままでは不安なので家庭教師をつけようかしら?でも、実際どのような指導をしてもらえるんだろう…。
このような疑問にお答えすべく、ここからは筆者が普段行っている、苦手克服のための指導内容を科目別に公開します。
なお、苦手な箇所は受験生によって異なります。そのため、苦手克服の方法も受験生によって多少異なります。
そこで、4科目それぞれの具体例を交えながら、苦手克服のために行っている指導内容を紹介していこうと思います。
4科目それぞれの具体例を紹介
- ケース①:算数が苦手なA君(小4)
- ケース②:理科が苦手なBさん(小6)
- ケース③:国語が苦手なC君(小5)
- ケース④:社会が苦手なD君(小6)
それぞれのケースごとに、具体的な指導内容を紹介していきます。
ケース①:算数が苦手なA君(小4)
まずは、算数が苦手なA君です。
家庭教師を始めた時の状況は、
- 始めた時期:小4の春
- 公開テストの成績:偏差値45〜49
- 苦手な内容:過去に学習した単元が解けない
- 保護者からの要望:公開テストで偏差値50を上回りたい
といった感じでした。
実際の指導内容
- ステップ①:宿題のテキストのやり直し
- ステップ②:復習テストのやり直し
- ステップ③:公開テスト対策
※ステップ③の「公開テスト対策」は、「【進学塾と併用】家庭教師にどのような指導をしてもらえるのか?」の章で紹介した内容です。以下同様です。
算数で注意していることは、まずは現在学習中の単元の理解に重点を置くようにしています。
その理由は、算数は前後の単元が関連性を持っているからです。現在学習中の単元につまずくと、この先の内容を理解することはできません。
そこで、ステップ①「宿題のテキストのやり直し」とステップ②「復習テストのやり直し」で、現在学習中の単元から理解を深めていきます。
その上で、ステップ③「公開テスト対策」を行うことで、過去に学習した単元から苦手単元をあぶり出します。あとは、公開テストのやり直しと過去問演習で、解けるようになるまで繰り返します。
ケース②:理科が苦手なBさん(小6)
続いて、理科が苦手なBさんです。
家庭教師を始めた時の状況は、
- 始めた時期:小6の夏休み前
- 公開テストの成績:偏差値52前後
- 苦手な内容:問題全般が解けない
- 保護者からの要望:公開テストで偏差値60を上回りたい
といった感じでした。
実際の指導内容
- ステップ①:公開テスト対策
- ステップ②:浜学園のテキストで苦手単元の復習
- ステップ③:理科コアプラスで重要語句の暗記
Bさんの場合、小6の夏休み前ということもあり、入学試験までの時間が限られていたので、ステップ①「公開テスト対策」から入りました。
ステップ①「公開テスト対策」で苦手単元をあぶり出し、ステップ②「浜学園のテキストで苦手単元の復習」を行いました。
最後に、偏差値60を上回るために、ステップ③「理科コアプラスで重要語句の暗記」を行いました。
※理科コアプラスは、中学受験に必要な重要語句を単元別にまとめた暗記用の問題集です。
ケース③:国語が苦手なC君(小5)
続いて、国語が苦手なC君です。
家庭教師を始めた時の状況は、
- 始めた時期:小5の春
- 公開テストの成績:偏差値45前後
- 苦手な内容:公開テストの試験時間が足りない
- 保護者からの要望:公開テストで偏差値50を上回りたい
といった感じでした。
実際の指導内容
- ステップ①:公開テスト対策
- ステップ②:語彙力の強化
C君の場合、文章を読むのが苦手ということもあり、公開テストの問題文を読むのに時間を割いてしまい、設問を解く時間が足りないという状況でした。
そこで、ステップ①「公開テスト対策」で公開テストの「解き方」を変えることから始めました。
具体的には、
- これまで:問題文をすべて読んでから設問を解く
- 変更後:問題文を読みながら設問を解く
に変更しました。
また、問題文を読む際に、
- 登場人物と繰り返し出てくる語句を囲む
- 筆者の考えに線を引く
- 重要だと感じた箇所に線を引く
の3箇所をマーキングする意識付けも指導しました。
その結果、試験時間が足りないという問題は解決しましたが、語彙力の不足により、問題文の内容を理解するには至りませんでした。
そこで、ステップ②「語彙力の強化」を行いました。具体的には、
- 意味が分からない語句はすべて辞書を引いて
- ノートにまとめて
- 暗記する
といった感じです。
※なお、長文読解のマーキングをご存知でない方は、「【中学受験】国語の長文読解に必要なテクニック【3つだけです】」の記事をご参照ください。
【中学受験】国語の長文読解に必要なテクニック【3つだけです】
「国語の長文読解が苦手です。参考書や問題集を使っても成績が上がりません。長文読解に必要なテクニックを教えてください。 」←このような悩み・疑問にお答えします。この記事では、中学受験の指導歴16年の筆者が、国語の長文読解に必要なテクニックについて解説しています。また、長文読解で時間が足りない原因や、長文読解を克服するためのコツについても解説しています。
ケース④:社会が苦手なD君(小6)
最後は、社会が苦手なC君です。
家庭教師を始めた時の状況は、
- 始めた時期:小6の夏休み前
- 公開テストの成績:偏差値38前後
- 苦手な内容:社会の語句を覚えていない
- 保護者からの要望:公開テストで偏差値45を上回りたい
といった感じでした。
実際の指導内容
- ステップ①:公開テスト対策
- ステップ②:白地図トレーニングと社会コアプラスで重要語句の暗記
D君の場合、小6の夏休み前ということもあり、入学試験までの時間が限られていたのでステップ①「公開テスト対策」から入りました。
過去の受験回で不正解だった問題はすべてノートにまとめ、暗記することで知識量を増やすことに特化しました。
さらに、ステップ①と並行する形で、ステップ②「白地図トレーニングと社会コアプラスで重要語句を暗記」を行いました。
※白地図トレーニングは、国名や都道府県、県庁所在地など、地図に関する重要語句をまとめた暗記用の問題集です。
※社会コアプラスは、中学受験に必要な重要語句を単元別にまとめた暗記用の問題集です。
【進学塾と併用】「進学塾対応コース」がある家庭教師派遣会社がおすすめ
※出典:画像は「家庭教師のサクシード」の進学塾対応コースから
進学塾と併用するなら、どこの家庭教師派遣会社が良いのかしら?
結論としては、「進学塾対応コース」がある家庭教師派遣会社がおすすめです。
「進学塾対応コース」とは?
家庭教師派遣会社の進学塾対応コースとは、お子さまが通っている進学塾に精通したプロ講師を派遣しているコースを言います。
例えば、お子さまが浜学園に通っているなら、下記のような講師が派遣されます。
- 浜学園生の指導経験や指導実績が豊富
- 浜学園に精通している
- 浜学園の公開テスト対策を指導できる
※実は、この記事でご紹介した指導内容も、筆者が進学塾対応コースから派遣された際に行っている内容です。
こんな悩みを解決できます
- 塾の授業についていけない
- 塾の宿題がこなせない
- 塾のクラスが上がれない、または落ちた
- 公開テストの成績が上がらない
上記なような状況でお悩みなら、迷わず「進学塾対応コース」がある家庭教師派遣会社を利用するべきです。
なお、「進学塾対応コース」がある筆者おすすめの家庭教師派遣会社は下記の記事にまとめています。
中学受験のおすすめ家庭教師派遣会社
【中学受験】プロの筆者がおすすめする家庭教師5社【選び方も解説】
中学受験におすすめな家庭教師派遣会社を知りたい方向け。この記事では、家庭教師歴18年の現役プロ家庭教師である筆者が厳選した、「この会社なら間違いない!」というおすすめの5社を紹介しています。また、家庭教師派遣会社の「選び方のポイント」についても解説しています。
浜学園と併用できる家庭教師派遣会社
【中学受験】浜学園と併用できる家庭教師派遣会社【おすすめ3社】
浜学園との併用におすすめな家庭教師派遣会社を知りたい方向け。この記事では、浜学園公開テストの指導歴18年、現役プロ家庭教師である筆者が厳選した、「この家庭教師派遣会社なら間違いなし!」というおすすめの3社を紹介しています。また、家庭教師派遣会社の「選び方のポイント」についても解説しています。
学生講師なら、お子さまの進学塾出身の家庭教師を!
学生講師をお考えなら、お子さまが通っている進学塾出身の家庭教師がおすすめです。
その理由は、学生講師は指導経験が浅いこともあり、教え方が異なるそれぞれの進学塾に対応できない可能性があるからです。
それなら、同じ教え方で学んだ(同じ進学塾出身の)家庭教師の方が安心です。
※なお、個人的には家庭教師の出身塾を指定できる「家庭教師のサクシード」がおすすめです。
【口コミ・評判】家庭教師のサクシードって実際どう?【現役プロ講師が解説】
「「家庭教師のサクシードって、実際のところ良いの?悪いの?利用者の口コミを知りたいなぁ。講師の条件を指定できるって聞いたけど、どんな条件を指定できるの?」←このような疑問にお答えします。この記事では、指導歴18年の現役プロ家庭教師である筆者が、家庭教師のサクシードの口コミや評判、メリット・デメリットについて解説しています。
よくある質問:理想の指導回数・指導時間は?
結論として、理想の指導回数や指導時間はお子さまの状況によって異なるので一概には言えません。
具体的には、
- 受講する科目数
- 目標とする偏差値
- 入学試験までの期間
など、状況によって異なります。
ちなみに、一般的に多いのは「週1回・2時間」です。
家庭教師派遣会社の担当者に相談することもできますが、個人的にも進学塾との併用なら週1回・2時間(または90分)で十分かと思います。
まとめ
というわけで、今回は以上です。
指導歴18年の筆者の、「進学塾と併用している」受験生への家庭教師での指導内容を公開しました。また、苦手克服のために行っている指導内容も、4科目それぞれの具体例交えながら紹介しました。
繰り返しになりますが、この記事で紹介した指導内容はあくまでも筆者の場合です。すべての家庭教師に該当するわけではありません。
それでも、進学塾と併用した場合の家庭教師の指導内容をイメージできたのではないでしょうか?
進学塾と家庭教師の併用をお考えの方に、多少なりとも参考になれば幸いです。
さいごに:疑問・質問をお寄せください
記事に関する疑問・質問はブログのお問い合わせフォームからお寄せください。
記事に不足している情報があればどんどん追記していき、より良い記事にしていきたいと思っています。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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