過去の記事で、国立中学の受験対策の方法は、私立中学のそれとは異なることをお話ししました。
※まだ読んでいない方は、「【国立中学受験】おすすめの受験対策の方法まとめ【プロが解説】」の記事をどうぞ。
【国立中学受験】おすすめの受験対策の方法まとめ【プロが解説】
国立中学受験の指導歴17年の筆者が、国立中学の受験対策の方法についてまとめました。国立中学の入試制度の特徴や私立中学との受験対策の違い、さらには受験対策の具体的な方法について解説しています。当サイトの国立中学受験に関する記事を集めた「まとめ記事」です。
それに伴って、国立中学受験に必要な学力も私立中学受験とは多少異なります。
この記事では、そんな国立中学受験に必要な「総合的な学力」について、私立中学受験との違いにも触れながら解説します。
この記事の内容
- 【私立中学とは異なる】国立中学受験に必要な「総合的な学力」とは?
- 「総合的な学力」を定着させる方法
記事の信頼性
この記事を書いている筆者は、塾講師・家庭教師での国立中学の受験指導歴17年ほど。これまでに、100名以上の受験生に国立中学の受験対策を指導してきました。
この記事では、そんな筆者の経験を踏まえて、国立中学受験に必要な「総合的な学力」について解説します。また、「総合的な学力」を定着させる方法についても解説します。
※国立中学受験の特徴を知りたい方に参考になる記事です。特に、学習塾に通わない「塾なし受験」をする方には、受験勉強の参考になるかと思います。
【私立中学とは異なる】国立中学受験に必要な「総合的な学力」とは?
国立中学の募集要項を見てみると、算数や国語といった科目の他に、検査や表現などの試験が記載されています。
こうした試験では、算数や国語、理科、社会に加えて、音楽や美術、図画工作など、総合的な学力が必要となります。当然、私立中学受験に必要な学力とは異なります。
注意点:私立中学の受験対策だけはNG!
私立中学と国立中学の両方を受験する(いわゆるダブル受験をする)受験生の中には、私立中学の受験対策しかしない受験生も少なくありません。しかし、上記のように入学試験の内容が私立中学とは大きく異なるため、国立中学の受験対策もしなければいけません。
国立中学受験では「総合的な学力」が求められる
入学試験の内容からも分かるように、国立中学受験では4教科だけでなく、副教科を含めた総合的な学力が求められます。
※ちなみに、私立中学受験では算数、国語、理科、社会の4教科のみ。学校によっては2教科受験や3教科受験も可能です。
なお、調査書についてご存知でない方は、「【国立中学受験】調査書の中身と合否への影響【依頼の方法も解説】」の記事をどうぞ。
【国立中学受験】調査書の中身と合否への影響【依頼の方法も解説】
「国立中学受験の出願時に必要な調査書って何?調査書の中身や合否への影響が気になります。担任の先生への依頼の仕方も教えてください。」←このような疑問にお答えします。この記事では、調査書の中身と合否への影響について解説しています。また、担任の先生への調査書作成の依頼の方法についても解説しています。
【総合的な学力】学校での学習内容が重要
ここまでの話をまとめると、私立中学受験と国立中学受験での「必要な学力」の違いは下記の通りです。
- 私立中学:4教科のみ
- 国立中学:4教科+副教科
つまり、国立中学受験では主要4教科だけでなく、副教科の学力も必要だということです。
※ちなみに、今から20年ほど前までは、音楽や体育、家庭科、図画工作の試験を行う学校もありました。
その証拠に、調査書を提出させ、副教科を含む入学試験を行うことで、総合的な学力が伴っているのかを判断しているのです。
要注意:学習塾や家庭教師の選び方にも注意が必要!
国立中学受験に学習塾や家庭教師を利用するなら、選び方にも注意が必要です。
私立中学受験の延長線上に国立中学受験を捉えている保護者も少なくありませんが、両者の受験対策における共通点はそこまで多くはありません。むしろ、異なる点がほとんどです。
そのため、学習塾や家庭教師を利用する際には、国立中学の受験対策ができることを必ず確認してください。
具体的には、
- 学習塾なら:「国立中学受験の専門塾」か「国立中学受験クラスがある学習塾」
- 家庭教師なら:国立中学の合格実績が多い家庭教師派遣会社
を選ぶようにしてください。
なお、関西の国立中学受験に強い学習塾と、国立中学受験におすすめな家庭教師派遣会社は下記の記事にまとめています。
【関西】国立中学受験に強い学習塾
【関西・大阪】国立中学受験に強い学習塾【おすすめ3選】
関西・大阪の国立中学受験に強い学習塾を知りたい方向け。この記事では、国立中学受験の指導歴17年、現役プロ家庭教師・塾講師である筆者が厳選した、「この学習塾なら間違いなし!」というおすすめの3校を紹介しています。また、学習塾の「選び方のポイント」についても解説しています。
国立中学受験におすすめな家庭教師
【国立中学受験】プロがおすすめする家庭教師4社【選び方も解説】
国立中学受験におすすめな家庭教師派遣会社を知りたい方向け。この記事では、家庭教師歴17年の現役プロ家庭教師である筆者が厳選した、「この会社なら間違いなし!」というおすすめの4社を紹介しています。また、家庭教師派遣会社の「選方のポイント」についても解説しています。
「総合的な学力」を定着させる方法
国立中学受験に必要な学力は、主要4教科に副教科を加えた総合的な学力です。
そして、この総合的な学力は、学校での学習内容をベースにバランスよく定着させていかなければいけません。
「総合的な学力」を定着させる方法
- 4教科:教科書の内容を中心とした基礎学力の定着
- 副教科:生活習慣の中での幅広い知識の習得
それぞれの方法について、詳しく解説していきます。
4教科:教科書の内容を中心とした基礎学力の定着
まずは、4教科の学力を定着させる方法からみていきましょう。
基本的には、私立中学の受験対策と同様に「受験用の問題集」を使って学力を定着させます。(いわゆる、受験勉強というイメージのものです)
なお、各学年ごとの具体的な受験勉強の内容については、「【受験勉強はいつから?】国立中学受験の「塾なし受験」の勉強法」の記事で解説しています。
【受験勉強はいつから?】国立中学受験の「塾なし受験」の勉強法
「国立中学の「塾なし受験」の勉強法を知りたいなぁ…。受験勉強はいつから始めるの?必要な参考書や問題集、学習ペースは?「塾なし受験」の勉強法を教えてください。」←このような疑問に答えます。この記事では、指導歴17年の筆者が国立中学の「塾なし受験」の勉強法について解説しています。
副教科:生活習慣の中での幅広い知識の習得
続いて、副教科の学力を定着させる方法です。
4教科の学力を定着させる方法とは異なり、副教科では問題集を解くわけにはいきません。(そもそも、副教科の勉強ができる問題集はありません)
生活習慣の中で幅広い知識を習得していく他に方法はありません。
注意点:学習塾や家庭教師では副教科の対策はできません
学習塾や家庭教師では、主に4教科の対策を中心に行います。学習塾によっては面接や作文の対策を行いますが、あくまでも練習に過ぎません。副教科の学力は学習塾や家庭教師に頼らず、学校生活や日常生活の中で定着させなければいけません。
幅広い知識を習得する方法
- 方法①:学校の授業を重視する
- 方法②:小学生新聞で時事ニュースに触れる
- 方法③:家庭環境に教材を取り入れる
それぞれの方法について、詳しく解説していきます。
方法①:学校の授業を重視する
まずは、学校の授業を重視する必要があります。
4教科だけでなく、副教科からも出題される国立中学受験では、学校の授業の重要性が高くなります。
学校の授業を重視することで、
- 副教科の内容を含む入学試験に強くなる
- 出願時に提出する調査書の成績アップに繋がる
といった効果が期待できます。
主要4教科だけでなく、副教科を含む総合的な学力が求められる国立中学受験だからこそ、学校の授業を重視することが大切です。
反対に、学校の授業をおろそかにし、学習塾の受験勉強ばかりに集中していても、国立中学受験に必要な総合的な学力は定着しません。
方法②:小学生新聞で時事ニュースに触れる
続いて、小学生新聞で時事ニュースに触れる機会を増やします。
国立中学の入学試験では、ここ最近の時事ニュースを引用した時事問題が頻繁に出題されます。特に、時事ニュースに関する副教科の学力を測る問題が多い印象です。
その際、時事ニュースに関する自分自身の考えを書かせる記述問題が多いので、こうした時事ニュースを普段から目にしているかどうかが、合否に大きく影響します。
自分の考えをまとめておこう!
小学生新聞から幅広い知識を習得するだけでなく、普段から自分の意見や考えをまとめておくことが大切です。
記事の内容について、
- その話題のポイントや問題点は何か?(知識の習得)
- どのように感じたか?何を思ったか?(自身の感想)
- 自分にできることは何か?(自身の考え)
など、親子で会話する時間を設けてください。
入学試験では、この内容をそのまま答案用紙に書けば良いのです。
参考までに、筆者がおすすめしている小学生新聞をまとめておきます。
おすすめの小学生新聞
まずは、週刊タイプの読売KODOMO新聞からのスタートがおすすめです。慣れてきたら、日刊タイプの朝日小学生新聞に切り替えましょう。
中学受験に関する記事が多い朝日小学生新聞は、毎日継続して読み続けることでライバルとの大きな差に繋がります。
※今なら無料でお試し読みができます。興味がある方は、この機会にぜひお試しください。
方法③:家庭環境に教材を取り入れる
最後に、家庭環境に教材を取り入れることも忘れてはいけません。
日常生活の中で何気なく目にしたものを無意識に覚えていることがあります。これを活用します。
こうした教材が家庭環境や生活習慣の一部になれば、お子さま本人は勉強しているつもりでなくても、無意識に知識を習得することができます。
※ちなみに、この方法は副教科に限らず、受験勉強全般に有効な方法です。なかなか覚えられない社会の暗記などにもおすすめです。
家庭環境におすすめな教材【4選】
おすすめ①:地球儀
世界の国や地域の位置関係が分かれば、国際社会に関する問題に強くなります。
おすすめ②:日本地図・世界地図
こちらは壁に貼ると効果的です。各都道府県の県旗や特産品、各国の国旗などが載っているものであればなお良し。
おすすめ③:歴史年表
こちらは歴史が苦手な受験生におすすめ。トイレで年表を眺めているうちに、歴史の並べ替え問題が得意になった受験生もいました。
おすすめ④:SDGsポスター
ここ近年で一気に出題頻度が増えたSDGs。小学生には難しいので、普段から目にすることがポイントです。
まとめ
というわけで、今回は以上です。
私立中学受験とは異なる、国立中学受験に必要な「総合的な学力」について解説しました。また、「総合的な学力」を定着させるための方法についても解説しました。
繰り返しになりますが、国立中学受験では主要4教科に副教科を加えた「総合的な学力」が必要です。そのためにも、主要4教科の受験勉強だけでなく、日常生活の中で幅広い知識を習得していくことが大切です。
そのための方法として、この記事の内容が多少なりとも参考になれば幸いです。
最後に、この記事で紹介した関連記事をまとめつつ、記事を終えたいと思います。
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