【私立中学とは異なる】国立中学受験に必要な学力とは?【方法も解説】

小学生

過去の記事で、国立中学の受験対策の方法は、私立中学のそれとは異なることをお話ししました。

※まだ読んでいない方は、「【国立中学受験】おすすめの受験対策の方法まとめ【プロが解説】」の記事をどうぞ。

この記事では、そんな国立中学の受験対策の方法について、「必要な学力」に着目して解説します。

この記事の内容

  • 【私立中学とは異なる】国立中学受験に必要な学力とは?
  • 【必要な学力】定着させる方法は?

記事の信頼性

この記事を書いている筆者は、塾講師・家庭教師での国立中学の受験指導歴16年ほど。
これまでに、100名以上の受験生に国立中学の受験対策を指導してきました。

この記事では、そんな筆者の経験を踏まえて、国立中学受験に必要な学力について解説します。
また、必要な学力を定着させる方法についても解説します。

【私立中学とは異なる】国立中学受験に必要な学力とは?

国立中学の募集要項を確認してみると、算数や国語といった科目の他に、検査表現などの試験が記載されています。

出典:大阪教育大学附属天王寺中学校・令和5年度募集要項

こうした試験では、算数や国語、理科、社会に加えて、音楽や美術、図画工作など、総合的な学力が必要となります。当然、私立中学の受験対策に必要な学力とは異なります。

注意点:私立中学の受験対策だけはNG!
私立中学と国立中学の両方を受験する(いわゆるダブル受験をする)受験生の中には、私立中学の受験対策しかしない受験生も少なくありません。しかし、上記のように入学試験の内容が私立中学とは大きく異なるため、国立中学の受験対策もする必要があります。

【国立中学受験】総合的な学力が求められる

入学試験の内容からも分かるように、国立中学受験では4教科だけでなく、副教科を含めた総合的な学力が求められます。

※ちなみに、私立中学受験では算数、国語、理科、社会の4教科のみ。学校によっては2教科受験や3教科受験も可能です。

その証拠に、国立中学受験では願書とともに(学校の通知表を参考に作成する)調査書を提出する必要があります。そして、調査書の成績も合否に影響します。

なお、調査書についてご存知でない方は、「【国立中学受験】調査書の中身と合否への影響【依頼の方法も解説】」の記事をどうぞ。

【総合的な学力】学校での学習内容が重要

ここまでの話をまとめると、私立中学と国立中学の受験対策における、「必要な学力」の違いは下記の通りです。

  • 私立中学:4教科のみ
  • 国立中学:4教科+副教科

つまり、国立中学受験では、学習塾での4教科を中心とした受験勉強に加え、副教科の受験勉強も必要だということです。

※ちなみに、今から20年ほど前までは、音楽や体育、家庭科、図画工作の試験を行う学校もありました。

ということは、学習塾に通って受験勉強だけをしていれば良い訳ではなく、学校での学習内容が重要になってくる訳です。

これが、国立中学受験に必要な学力が「総合的な学力」だという根拠です。

大切なことなので繰り返しますが、調査書を提出させ、副教科の内容を含む入学試験を行うことで、総合的な学力が伴っているのかを判断しているのです。

【必要な学力】定着させる方法は?

ここまで読めば、国立中学受験では4教科だけでなく、副教科の学力も必要なことが分かるかと思います。

そして、「総合的な学力」は、この両方から定着させていく必要があります。片方だけではいけません。

【総合的な学力】定着させる方法

  • 4教科:教科書を中心とした基礎学力の定着
  • 副教科:生活習慣の中での知識の習得

それぞれの方法について、詳しく解説します。

4教科:教科書を中心とした基礎学力の定着

まずは、4教科の学力を定着させる方法です。

基本的には、私立中学の受験対策と同様に受験用の問題集を使って学力を定着させます。

ただし、私立中学の入学試験は教科書の内容をいつ脱するような難問が多いのに対し、国立中学の入試問題は「教科書の内容とその発展問題」が中心です。そのため、教科書の内容を中心に基礎学力の定着に重点を置いて取り組む必要があります。

なお、4教科の受験勉強の方法については、「【受験勉強はいつから?】国立中学受験の塾なし受験の勉強法」の記事で解説しています。

学習塾や家庭教師の利用もおすすめ

私立中学とのダブル受験を考えている受験生なら、大手進学塾に通いながら受験勉強を進めていく受験生も少なくありません。

一方、国立中学のみを受験するなら、国立中学受験の専門塾や家庭教師の利用がおすすめです。

特に、国立中学のみを受験するなら、私立中学の受験対策をする必要はありません。国立中学の受験対策だけを効率よく集中的に行えば、短期間での合格も夢ではありません。

なお、関西の国立中学の専門塾は、「【関西・大阪】国立中学受験に強い学習塾まとめ【おすすめ4選】」の記事にまとめています。

また、国立中学の合格実績が多い家庭教師派遣会社は、「【中学受験】国立中学の合格実績が多い家庭教師まとめ【おすすめ4選】」の記事にまとめています。

副教科:生活習慣の中での知識の習得

続いて、副教科の学力を定着させる方法です。

こちらは、4教科とは異なり、学習塾や家庭教師などではなかなか習得が困難です。

※学習塾や家庭教師では、入学試験の過去問を使った指導を受けることはできます。しかし、入学試験の過去問対策は小6の秋以降に行います。それまでは、学習塾や家庭教師で副教科を扱うことはありません。

つまり、副教科の学力の定着は、学習塾や家庭教師に頼らず、自力で行う必要があります。と言っても、なかなか難しいので、生活習慣の中で知識を習得する方法がおすすめです。

生活習慣の中で知識を習得する方法

  • 方法①:学校の授業を重要視する
  • 方法②:小学生新聞を購読する
  • 方法③:家庭環境に教材を取り入れる

筆者が受験生におすすめしている方法は上記の3つ。
それぞれの方法について、詳しく解説します。

方法①:学校の授業を重要視する

まずは、学校の授業を重要視する必要があります。

4教科だけでなく、副教科からも出題される国立中学受験では、学校の授業の重要性が高くなります。

学校の授業に日頃から真剣に取り組むことが、結果的に国立中学の受験対策に繋がります。反対に、学校の授業をおろそかにし、学習塾の受験勉強ばかりに集中していても、国立中学受験では合格できません。

方法②:小学生新聞を購読する

続いて、小学生新聞の購読です。

国立中学の入学試験では、ここ最近の時事ニュースを参考にした問題が頻繁に出題されます。時事ニュースに関する副教科の学力を測る問題が多い印象です。

例えば、SDGs(持続可能な開発目標)に関する時事ニュースを取り上げ、それに関する社会科や家庭科の問題を出題する感じです。

特に、国立中学の入学試験では、自身の考えを述べさせるような記述問題が多いので、こうした時事ニュースを普段から目にしているかどうかが、合否に大きく影響します。

なお、筆者がおすすめしている小学生新聞は、「【中学受験】小学生新聞が必要な3つの理由とは?【おすすめも紹介】」の記事で紹介しています。

方法③:家庭環境に教材を取り入れる

最後に、家庭環境に教材を取り入れることも忘れてはいけません。

普段の生活の中で、何気なく見ているものを無意識に覚えていることがあります。これを活用します。

具体的には、普段の生活の中で、お子さまが過ごす場所に教材を置いておきます。その教材を毎日のように見たり触ったりするうちに、無意識にその教材の内容を覚えます。

こうした教材が家庭環境や生活習慣の一部になれば、お子さま本人は勉強しているつもりでなくても、無意識に知識を習得することができます。

※ちなみに、この方法は副教科に限らず、受験勉強全般に有効な方法です。なかなか覚えられない社会の暗記などにもおすすめです。

家庭環境におすすめな教材【4選】

おすすめ①:地球儀

世界の国や地域の位置関係が分かれば、国際社会に関する問題に強くなります。

おすすめ②:日本地図・世界地図

こちらは壁に貼ると効果的です。各都道府県の県旗や特産品、各国の国旗などが載っているものであればなお良し。

おすすめ③:歴史年表

こちらは歴史が苦手な受験生におすすめ。トイレで年表を眺めているうちに、歴史の並べ替え問題が得意になった受験生もいました。

おすすめ④:SDGsポスター

ここ近年で一気に出題頻度が増えたSDGs。小学生には難しいので、普段から目にすることがポイントです。

上記に限らず、ことわざや四字熟語、漢字など、お子さまが苦手な内容は家庭環境に教材を取り入れることをおすめします。小学生新聞の付録には副教科に関するものも多く、家庭環境に取り入れやすい教材が多いかと思います。

まとめ

というわけで、今回は以上です。

私立中学の受験対策とは異なる、国立中学の受験対策の方法について、「必要な学力」に着目して解説しました。また、必要な学力である、「総合的な学力」を定着させるための方法についても解説しました。

繰り返しになりますが、国立中学受験に必要な学力は、副教科を含めた「総合的な学力」です。そのためにも、学習塾や家庭教師での4教科だけでなく、副教科の学力も定着させなければいけません。

そのための方法として、この記事が多少なりとも参考になれば幸いです。

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