
国語の成績が上がりません。他の教科よりもひどいのはなぜ?苦手克服の方法を教えてください。
このような悩み・疑問にお答えします。
この記事の内容
- 【中学受験】国語の成績が上がらない理由【2つある】
- 【プロが解説】国語の苦手克服の方法
記事の信頼性
この記事を書いている筆者は、家庭教師・塾講師での中学受験の指導歴16年ほど。
これまでに、国語が苦手な受験生を数多く指導してきました。
この記事では、そんな筆者の経験を踏まえて、国語の成績が上がらない理由について解説します。
また、国語の苦手克服の方法についても解説します。
【中学受験】国語の成績が上がらない理由【2つある】
- 理由①:これまでに読んできた文章量が影響するから
- 理由②:他の教科とは勉強法が異なるから
※実際には様々な理由があるのですが、上記の2点が大きく影響していると考えています。
それぞれの理由について、詳しく解説します。
理由①:これまでに読んできた文章量が影響するから
国語のテストでは、膨大な量の問題文を読み、その内容を短時間で理解しなければいけません。
その際、問題文を読むスピードや理解度は、受験生本人が持っている語彙力や読解力に大きく左右されます。
そして、この語彙力や読解力は、受験勉強ではなく、これまでに読んできた文章量が影響します。
※そのため、進学塾に通って受験勉強を頑張っても、他の教科と同じようには成績が上がらないことも珍しくありません。
中学受験に必要な語彙力と読解力
中学受験に必要な語彙力と読解力の目安となるのが、大手進学塾の公開テストです。
参考までに、大手進学塾の浜学園公開テスト(小5)の問題文に含まれていた語句をご紹介します。
- ニッチ:隙間を意味する語
- 人道的:人道主義の立場にかなったさま
- まことしやか:事実や内心をつくろって本当めかす有様や態度
- 当惑:事に当たってどうしてよいかわからず、とまどうこと
- エビデンス:根拠、証拠、裏づけ
- ダイバーシティー:多様性
- おざなり:その場かぎりのまにあわせ。いい加減
上記の通り。
小学生が日常生活では耳にしない(目にしない)ような語句が、数多く含まれていることが分かるかと思います。
こうした語句が含まれる文章を短時間で理解できるだけの語彙力と読解力が必要です。
文章を読む習慣が定着しているか?
上記でご紹介した語句を見ても分かるように、国語の成績には受験生本人の語彙力と読解力が大きく影響します。
当然、それは今後の国語の成績においても同じです。中学受験に必要な語彙力と読解力を習得しなければ、いつまで経っても国語の成績は上がりません。
※後ほど詳しく解説しますが、個人的には文章を読む習慣を定着させなければ、中学受験に必要な語彙力と読解力は習得できないと考えています。問題集を解くだけでは習得できません。
理由②:他の教科とは勉強法が異なるから
ここまで読めば、国語が他の教科とは異なることはもうお気付きですね。
まさしくその通りで、他の教科のように、受験勉強を頑張っていれば成績が上がるというわけではありません。
要注意:「塾を頑張ればやがて成績は上がる」は危険!
学習塾では、テキストと問題集を使って問題の「解き方
」を教えます。
しかし、実際のテストでは膨大な量の問題文を読み、その内容を短時間で理解しなければいけません。もし、問題文の内容を理解できないなら、問題の「解き方
」を勉強しても成績が上がるはずがありません。
大切なことなので繰り返しますが、「塾を頑張ればやがて成績は上がる」という考え方は危険です。
「解く力」よりも「読む力」を鍛えよう!
国語以外の教科では、テキストや問題集を使って「解く力
」を鍛えることで成績はどんどん上がっていきます。
一方、国語の場合は「解く力
」を鍛えるだけでは成績は上がりません。先ほどからも触れているように、まずは問題文の内容を理解しなければいけません。
そのため、国語の受験勉強においては、「解く力
」よりも「読む力
」を優先して鍛えることが重要です。
※ほとんどの受験生がこのことに気づかず、他の教科と同様に「解く力」ばかりを鍛えています。その結果、いつまで経っても「読む力」が定着せず、問題文の内容を理解できずにいます。
【プロが解説】国語の苦手克服の方法
ここからは、国語の苦手克服の方法について、実際に筆者が受験生に指導している内容を公開します。
結論としては、問題文の内容を理解するための「読む力
」を習得することに重点をおきます。
苦手克服の方法【3ステップ】
- ステップ①:文章を読む習慣を定着させる
- ステップ②:「知らない語句」をノートにまとめる
- ステップ③:ノートにまとめた語句を暗記する
それぞれのステップについて、詳しく解説します。
ステップ①:文章を読む習慣を定着させる
大前提として、文章を読まなければ「読む力
」は習得できません。
そして、「読む力
」を習得できれば、下記の2点で大きな効果が期待できます。
- (1)選択問題:正しい選択肢が分かる
- (2)記述問題:正しい文章が書ける
問題文の内容を理解できれば、選択問題において、正しい選択肢を選べるようになります。また、記述問題においても、主語と述語の関係が正しい文章を書けるようになります。
※特に、記述問題に必要な正しい文章を書く力は、ある程度の文章量を読まなければ習得できません。
【文章を読む習慣】小学生新聞の購読がおすすめ
文章を読む習慣を定着させる方法としては、長文読解の問題集を利用する方法が一般的です。
しかし、長文読解の問題集を1冊や2冊解いたぐらいでは、中学受験に必要な語彙力や読解力は習得できません。
そこで、個人的におすすめしているのが小学生新聞の購読です。
そもそも語彙力や読解力は、短期間で習得できるものではありません。文章を読む習慣が定着することで、はじめて習得できるものです。
※読書習慣がある受験生のほとんどが、国語を苦手としないのは文章を読む習慣が定着しているためです。
なお、小学生新聞で国語の成績が上がる理由については、「【中学受験】小学生新聞が必要な3つの理由とは?【おすすめも紹介】」の記事で解説しています。
【中学受験】小学生新聞で国語の成績が上がる理由【おすすめも紹介】
「国語の成績がなかなか上がらないなぁ…。国語の成績アップに小学生新聞がおすすめって聞いたけれど、どんな効果が期待できるの?おすすめの小学生新聞も教えてください。」←このような悩み・疑問にお答えします。この記事では、小学生新聞で国語の成績が上がる理由について解説しています。また、筆者がおすすめする小学生新聞も紹介しています。
ステップ②:「知らない語句」をノートにまとめる
ステップ①「文章を読む習慣を定着させる」の中で目にした「知らない語句」の意味を辞書で調べ、ノートにまとめます。
※公開テストなど、受験勉強で目にした知らない語句も含みます。
※実は、これまでも知らない語句を目にしてきたのですが、それらを放ったらかしにしてきたために、語彙力が増えず、読解力が定着しなかったのです。
知らない語句を知らないままにしていては、いつまで経っても苦手克服はできません。
ステップ③:ノートにまとめた語句を暗記する
最後に、ノートにまとめた語句を暗記します。
と言いますのも、ノートに語句をまとめるだけでは語彙力は増えないからです。
ノートにまとめた語句は、そう遠くない将来に再び目にする日がやってきます。
その時、「あ!この語句知ってる!」となれば、語彙力が増えている証です。そうでなければ、見直しが足りないということです。
まとめ
というわけで、今回は以上です。
中学受験において、国語の成績が上がらない理由について解説しました。また、国語の苦手克服の方法についても解説しました。
繰り返しになりますが、国語の成績には、これまでに読んできた文章量と他の教科とは異なる勉強法が影響します。こうした特徴を理解した上で、「解く力
」よりも「読む力
」を重視して、苦手克服に取り組むことが重要です。
あくまで、個人的な意見ではありますが、多少なりとも参考になれば幸いです。
なお、国語の長文読解の成績でお悩みの方は、「【中学受験】国語の長文読解に必要なテクニック【3つだけです】」の記事もあわせてご活用ください。
【中学受験】国語の長文読解に必要なテクニック【3つだけです】
「国語の長文読解が苦手です。参考書や問題集を使っても成績が上がりません。長文読解に必要なテクニックを教えてください。 」←このような悩み・疑問にお答えします。この記事では、中学受験の指導歴16年の筆者が、国語の長文読解に必要なテクニックについて解説しています。また、長文読解で時間が足りない原因や、長文読解を克服するためのコツについても解説しています。
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